2011年1月12日水曜日

こなから

こなから
 〒100-6505 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング5F

website: http://konakara.com/
tel: 03-5220-2281
price: lunch 1100円(平均) dinner 5000円(平均)


VVV6 東京Vシュラン2の第1位にも選ばれた最近話題の老舗おでん屋さん。寒い日にぜひ立ち寄ってみたいお店の一つ。おでんに染み渡る出汁を嗜みながら、身体の芯から温まるのはいかが?

おでんというと庶民的なイメージが強いかもしれないが、老舗の「こなから」はおでんの中でも出汁と素材にこだわり抜き最高級のものを扱っているために少しお値段も高め。おでんは1つ200円~と今やコンビニで売ってるおでんと比べたら考えられない値段。

おでんは、とてもシンプルな食べものでそれこそ出汁と素材が味の決め手になる。出汁は関西風の澄んだ出汁のために一切ごまかしが利かないし、それだけ出汁がシンプルだから当然素材の味も際立つ。だからこそ、この2つははずせない。



 お店に一歩入るとまず目にするのが木製の下駄箱。その奥には、ひょうたん型の大きなお鍋を囲むカウンターと6人ほどが座れるテーブルが1つ。店内にはわずか40名ほどしか入らない情緒溢れるこじんまりとしたお店。一歩足を入れると東京の下町のお店にタイムスリップしたようでとても良い雰囲気だ。

食事は、2人でいってお通し3点に計12点のおでんを注文した。

お通し3点 1000円 (茶碗蒸し・南瓜の鶏そぼろあんかけ・御造り)
茶碗蒸しは、銀杏やしいたけなどたくさんの具げ用いられており、出汁が利いた香りのよい茶碗蒸しだった。南瓜のそぼろあんかけは、南瓜の甘みとそぼろの塩味がうまく調和した一品だった。御造りは、その時期の旬を扱っているのがよく解るくらい脂が乗っており、しょうゆをはじくくらいだった。

大根・たまご・京水菜
まずは、定番の大根とたまごから。大根は、よく出汁が染み渡っている割りに型崩れせず少し堅めに仕上がっていた。たまごは、その色から見て解るように黄身がとても濃厚だった。京水菜は、注文を受けてからお鍋に浸していたが、食感も残しつつ出汁もよく吸っていて絶妙なバランスだった。


京がんも・いわしのつみれ・餅巾着
京がんもは、小さいながら割ってみると鶉の卵を中に入れて濃くのあるまろやかながんもに仕上がっていた。いわしつみれは、他にないこしょうの利いたしっかりと味付けされたつみれだった。どうしてもお魚のつみれというと生臭さが気になるところだが、それを全く感じさせなかった。餅巾着は、油揚げの中に餅が入っているのだが、餅に出汁が染み渡りとろ~と溶ける感じが最高だった。餅も時間やその素材によって溶け具合が違うようで、1つはどろどろになるほど溶けそうだったので少し残念だった。時間と出汁のしみ具合を測るのはとても難しいのだろうと実感する。

おこげさん、さつ栗さん、きくらげ

おこげは、その名の通り1度火を通して回りをカリッ焼いてから出汁に浸しているので外は香ばしく、中は出汁が染みてもちっと仕上がっていた。おでんの材料としてはあまり見ないおこげだが、古代米を使用しているようでその歯ごたえもぷちぷちとした独特のものですごい気に入った。

さつ栗さんは、甘さ控えめのスイートポテトをボール状にし、出汁に浸した表現が一番適当だろうか。スートポテトほど濃くはなく、さつまいものほくほく感と栗のプチプチとした歯ごたえを残した斬新な食べ物だった。それ自体が少しぽそぽそしており、また素材の甘さと出汁の塩味のバランスが少しアンバランスに感じ、個人的にはあまり好きではなかった。

きくらげは、その素材そのままの食感を活かした歯ごたえのよいおでんだった。普段、きくらげをそのままで食べることがないのでこういう発想もあるんだと勉強になった。シンプルながらとても美味しい一品だった。

帆立入りさつま揚げ・ピリ辛チーズ入りすいとん
 最後の締めをこの2つとして頼んだのが少し間違ってしまった気もするが・・・

さつま揚げは、帆立の貝柱が見えるくらいふんだんに使われており、食感、香り共にすばらしかった。また、帆立からも良い出汁が出るためおでんの出汁に奥行きが出て美味しかった。

今まで食べたおでんの中で一番驚いたのが、ピリ辛チーズ入りすいとんだった。餅にも似たうどんのような食感のピリ辛のすいとんの中にチーズを挟んだ手の込んだ1品だ。チーズを入れることで出汁に洋風な濃くが加わり、また違った味わいを楽しめた。温かい出汁に浸ったチーズが溶けていいのだが出汁といい、このすいとんにはミスマッチに感じた。とにかく斬新な一品だ。

全体的に見て、1つ1つの素材の味を大切にする心意気がすごい伝わってきた。おでん鍋には、付きっ切りで素材と出汁の調整をしており、まさに職人技だった。お値段は張るが、情緒溢れる店内で極上の素材・出汁を使った今まで味わったことのないおでんを頂き、大満足だった。テレビで放映された事もあり、常に満席でお客さんが絶えることがないので、予約したほうが確実でしょう。6時以降の予約を受け付けていないのでご注意を。